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2012年6月

金子敦 「乗船券」

第四句集となります。
第二句集からは4年置きに上木されおりますが、どの句集も佳句ばかりで読み応えがあります。

第三句集「冬夕焼」では最愛の母堂を亡くし、悲しみの中での上木でしたが、それでも生きていくことの有難さ、そしてそこから作られる詩が日常に溢れていることが分かります。

(句集の講評をしているかと思ったのですが、しておりません・・・近々、アップさせて頂きますね。coldsweats01
帯の「とおき日のさらに遠くに冬夕焼」は、第三句集のタイトルにもなりました「吸飲みに残りし水や冬夕焼」を連想します。

 生きていることは亡者との距離を遠くしていくだけある。
 冬夕焼けの存在自体が、その距離をさらに遠くにしていくようだ。

それにしても、何気ない生活が、この方にかかると、心豊かな詩に溢れます。

当たり前にしても、それに掛かる季語によって、これほど言葉が生き生きとなるのは、敦ワールドです。

平明にしてその奥深さには読む人を楽しませて頂きます。

あと読んでいるとお腹が減ってきますので、読む前には好きな食べ物と飲み物を用意して下さいませ。cafe

感銘句2007年
風花をいざなふ楽譜開きけり
初蝶がト音記号を乗せてくる
三月のひかりの色のメロンパン
園児らの輪唱ずれて水温む
適当にルール決める子山笑ふ
子らの声散らかつてゐる花火あと
月の舟の乗船券を渡さるる

眼鏡置くごとくに山の眠りけり

2008年
花束のセロハンの音雪催
梅林に金平糖が降つてゐる
白梅はホットミルクの膜の色
地球儀へ鶯餅の粉が飛ぶ
しやぼん玉弾けて僕がゐなくなる
囀りやフランスパンの林立し
ひとつだけ違ふコップや海の家
月光がピアノの蓋を開けたがる
さう言へばで始まる話年忘れ
二次会にマスクの人のあらはるる

2009年
騙し絵の中へと続く雪の道
出航の汽笛聞こゆる雛の部屋
あたたかや主宰の横に座りゐて
フルートの音の水平に風光る
ロッカーの鍵のゆるゆる海の家
ぬかるみにベニヤ板置き秋祭
洋梨を描く角度の決まりけり

栗少しずらしてケーキ食べはじむ
深秋の紅茶にジャムの沈みゆく
冬薔薇の映るグラスを洗ひけり

2010年
カステラの黄の弾力に春立ちぬ
恋猫の雄に相談したきこと
木の匙に少し手強き氷菓かな
本物の種が入つてゐるゼリー
踏切を越ゆる潮風ソーダ水
それはもう大きな栗のモンブラン
とほき日のさらに遠くに冬夕焼
半券を日記に挟む聖夜かな

2011年
指人形解き手袋に戻りけり
ランドセル背負ふ練習梅の花
春泥を飛び越え一年生となる
セロテープの端よぢれたる春の風邪
朧夜の圧力鍋の微動かな
こめかみに鉄琴の鳴るかき氷
水底にしんと昨夜の花火屑
ハンカチに包んでしまふほどのこと
手に残る折紙の香や星月夜
消しゴムの角度を変へる夜長かな
マカロンの黄のつやつやと聖夜来る
聖夜なり電子レンジの鳴る音も
店頭の絵本に触るる聖樹かな
聖菓切るナイフふはりとめりこんで

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週俳に結社「秋草」紹介されました

一年ぶりのプログです。

この間に子供産まれました。

(これで4人の子持ちです。happy01

大変ですけど、毎日楽しく過ごしております。

公私とも、少し余裕が出来てきましたので、プログ復活ですsun

さき走るこころばかりに水遊び 楚良

http://weekly-haiku.blogspot.jp/2012/05/201235-33-1-2-3.html

先日、所属している「秋草」の紹介がありましたので、リンクしておきます。

会員は少ないですが、内容は充実cat

ご興味ある方は是非ともご連絡願いませ。

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