「未踏」(高柳克弘) 中編
彼が所属する「鷹」の結束力はすごいです。
句会はもちろん、ネット句会やチーム賞(小句会)もあり、また全国俳句大会への投句も奨励しております。
それを指導する、小川軽舟さん、奥坂まやさんたちの力、また、ついて行く同人の方々。。。
一度、俳誌を読んだことがありますが、その中身は充実しており、書店で売っている月刊誌は要りません。
(でも、僕はこの結社には所属しておりませんし、結社を進めているわけではありません。また月刊誌を必要としている人もおります。念のため)
そんな「鷹」の編集長を勤めているので、どうしても彼への注目度、期待度は高まってしまいます。
編集長に就かれたのは、2005年の25歳の時です。
前年、「俳句研究賞」を頂き、俳人としての彼の名前が知れ渡ったところです。
2005年は、藤田湘子が死去され、編集長だった小川軽舟さんが主宰となり、その後釜に白羽の矢が立ちました。
彼が、湘子先生に学んだのは約3年です。(湘子最後の愛弟子と言われております)
彼は、学生のときに俳句を始めたとのことですので、(多分)7年目にして大役を受けたことになります。
多くの著名俳人を輩出している「鷹」で、まだ他にも候補がいたでしょう。
その中での大抜擢
すごいプレッシャーだったと思います。
しかし、この頃の彼が作る俳句は、僕はあまり好きではありません。
何故かなぁと思っていたのですが、先日(1/9)出演の「俳句王国」で、黒田桃子先生が、「古めかしい句は高柳さんだったのね」と言われて納得。
そうそう、いきなり俳句が落ち着いてしまうんですね。。。
理由はありますが、それは後編で
それでも、多くの人の感銘を受ける句を作っているので、すごいなぁと感心してしまいます。
2005年
どの樹にも告げるきさらぎ婚約す
雛飾るくるぶしわれのおもひびと
潮満ちていそぎんちやくは死者の花
飾るものなし花冷のくびすじに
素足ゆく床の幾何学模様かな
林檎割る何に醒めたる色ならむ
人形の頭のうしろ螺子寒し
2006年
枯るる中ことりと積木完成す
枯原の蛇口ひねれば生きてをり
さざなみのおくる夕日やをみなへし
水族館かすかに霧のにほひけり
日暮より早き別れや冬の川
冬深し小石はゆらぎつつ沈む
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