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2010年1月

「未踏」(高柳克弘) 後編

彼の俳句への愛着は、この後更に深まります。
所属している「結社」の編集はもちろん、大学院に進められてから俳句研究を始められます。
俳句研究賞を取られた翌年2006年には、「俳句研究」に執筆され(2008年:凛然たる青春 上梓)、ウェブでは一年間の間、芭蕉のコラム(2008年:芭蕉の一句 上梓)。
また、田中裕明全句集が出版された時には、神野紗希さん他多くの賛同者を集め、エッセーに一冊の本にまとめ上げ(2008年昼寝の国の人)、彼のバイタリティーはもちろん、求心力の強さが持ち味です。

「中編」で、古めかしいと言われたのは、彼が芭蕉俳諧等の俳句研究をし始め、作風が若者らしくないということです。
でも、その作風はもちらん、小論も若者とは思えない、落ち着いた堂々たるものです。

去年からは、月刊誌「俳句」に『十七音に徹して読む』を連載を始めました。
また結社の活動以外に、全国各地に講演や指導など、俳句の発展に寄与しております。
本当に彼のバイタリティーは衰えることがなく、感服してしまいます。

それから、彼のお人柄が良いことです。
自分の知識を媚するわけでもなく、誰にでも対等に付き合える気安さ、そしてあの甘いフェイス。。。
どれほどの人を惹きつけているのでしょうか。
地元出身とはいえ、僕がここまで彼のことを意識してしまうのは、今後の俳句を牽引する人として愛してやまないからだと思います。

「未踏」出版から半年経って、ようやく彼のことを書き終えることができました。
これからも彼の言動には注目していきたいと思います。
<2007年>
 根の国の闇を恋しと亀鳴けり
 さみだれや擬音ひしめくコミックス
 まつしろに花のごとくに蛆湧ける
 草の穂の怠けたきとき方丈記
 木の実落ちダリは遠近法を無視
 旅多きくらしの卓や秋の風
 紙の上のことばのさびしみやこどり
<2008年>
 くちびるのありてうたはぬ雛かな
 青梅雨や櫂のとどかぬ水底も
 絵の中のひとはみな死者夏館
 図書館の知識のにほひ夜の秋
 梟や生きゐて嵩む電気代
 水洟や詩人は滅び世は進み
 歳晩や椅子寄せ合ひて家族なる
 橋があり冬日わたれるしづけさに

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「未踏」(高柳克弘) 中編

彼が所属する「鷹」の結束力はすごいです。

句会はもちろん、ネット句会やチーム賞(小句会)もあり、また全国俳句大会への投句も奨励しております。

それを指導する、小川軽舟さん、奥坂まやさんたちの力、また、ついて行く同人の方々。。。

一度、俳誌を読んだことがありますが、その中身は充実しており、書店で売っている月刊誌は要りません。

(でも、僕はこの結社には所属しておりませんし、結社を進めているわけではありません。また月刊誌を必要としている人もおります。念のため

そんな「鷹」の編集長を勤めているので、どうしても彼への注目度、期待度は高まってしまいます。

編集長に就かれたのは、2005年の25歳の時です。

前年、「俳句研究賞」を頂き、俳人としての彼の名前が知れ渡ったところです。

2005年は、藤田湘子が死去され、編集長だった小川軽舟さんが主宰となり、その後釜に白羽の矢が立ちました。

彼が、湘子先生に学んだのは約3年です。(湘子最後の愛弟子と言われております

彼は、学生のときに俳句を始めたとのことですので、(多分)7年目にして大役を受けたことになります。

多くの著名俳人を輩出している「鷹」で、まだ他にも候補がいたでしょう。

その中での大抜擢

すごいプレッシャーだったと思います。

しかし、この頃の彼が作る俳句は、僕はあまり好きではありません。

何故かなぁと思っていたのですが、先日(1/9)出演の「俳句王国」で、黒田桃子先生が、「古めかしい句は高柳さんだったのね」と言われて納得。

そうそう、いきなり俳句が落ち着いてしまうんですね。。。

理由はありますが、それは後編で

それでも、多くの人の感銘を受ける句を作っているので、すごいなぁと感心してしまいます。

2005年

 どの樹にも告げるきさらぎ婚約す

 雛飾るくるぶしわれのおもひびと

 潮満ちていそぎんちやくは死者の花

 飾るものなし花冷のくびすじに

 素足ゆく床の幾何学模様かな

 林檎割る何に醒めたる色ならむ

 人形の頭のうしろ螺子寒し

2006年

 枯るる中ことりと積木完成す

 枯原の蛇口ひねれば生きてをり

 さざなみのおくる夕日やをみなへし

 水族館かすかに霧のにほひけり

 日暮より早き別れや冬の川

 冬深し小石はゆらぎつつ沈む

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コンビニ句

コンビニのおでんが好きで星きれい 神野紗希

1月13日毎日新聞より

選者の坪内稔典先生のコメントでも申されていましたが、現代俳句がぷんぷんとする句です。

一つ目

コンビニ(エンスストア)は現代社会に不可欠となってきているものですが、俳句に取り入れるにはいささか抵抗を感じます。他には携帯(電話)、メールもあります。

二つ目

コンビニのおでんを『うまい』と言い切ったこと。

おでんを食べたくなっても、おでん屋や居酒屋に行く度胸はないしお金、時間もかかる。ただ「おでんが食べたい」この衝動を、近くのコンビニは応えてくれる。

忙しい中を生きている日本人が、コンビニのものでも癒されてしまうとは、はなはだ悲しく感じてしまいました。 コンビニとは現代人の拠り所なんでしょうね。。。

三つ目

星きれいとストレートに自分の気持ちを言っていること。

これを「前衛俳句」という人もいるかと思いますが、これは現代、これからの俳句となるのかも知れません。

先月「新撰21」という本が出版されました。

内容は今後の俳句を担うだろう40歳以下の21人の俳人たちのものです。

課題句が、今後の俳句の一つなっていくのなら、おのずと受け入れていくしかないと思います。

俳句は今後、どのようになっていくのでしょうか?

僕も遅れないように、俳句に触れていくしかありません。

最後に3月一杯で「俳句王国」のアシスタント終わりです。

長い間、お茶の間を楽しませて頂き、有難う御座いました。

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俳句は道楽

明けましておめでとう御座います。

前回の更新から、あっという間に2ヶ月が過ぎてしまいました。

プログを楽しまれている方には申し訳御座いません。

高柳克弘さんのお話は今月中には完結させて頂きます。

そういえば、先日(1/9)の「俳句王国」に出演されておりましたが、これでまた女性の心を鷲づかみにされたのではないでしょうか?

さて、タイトルの『道楽』について話させて頂きます。

今年のお正月は、家事や子供たちのお世話で終わってしまいました。

初句会に講演会とお誘いを受けましたが、全部、キャンセルです。

(お誘いして頂いた方には、申し訳御座いません。必ず、今年中一回は出席させて頂きます。)

多分、これからも子育てが一段落するまでは、定期の出席は無理なのかもしれません。

そこで、思ったことです。

僕にとって俳句は、今の生活(仕事、家族)があって成り立っているので、これらを疎かにすることは出来ません。

文芸だの教養だと言って、インテリぶっている人もおりますが、家庭を省みず、お金や時間を投資するのは、道楽だと思います。

結婚や子供が生まれたり、家庭がどうなろうと平然と句会に参加されていたら、自己中心的な方か、相手がよほどの奇特な方のどちらかです。

髪を切りに行きたくても、子供を預けれる’ちょっと’が出来ない。(この意味が分かる方は、よほど苦労されている方です。)

以前、「何が何でも句会に出てきなさい」と叱咤されたことがあります。

確かに俳句上達には、句会は不可欠です。

でも、家庭や仕事を犠牲にしてまで、行うものであるかと考えてしまいます。

今の生活に合った俳句で楽しめればと思います。

xx俳句やxx論が月刊誌、ネット上で話題がありますが、それは僕にとって別世界。

俳句に触れるということは、楽しみであり、癒され、遊びの場であります。

今お付き合いされている方は、そんなことを理解されている方ばかりで、とても有難く、心の拠り所です。

時間が許される限り、ネット句会やプログ等で遊んで行きたいと思いますので、旧年と変わらぬお付き合いお願い致します。

妻とゐて童にぎやか冬水仙 楚良

追伸:mixiでネット句会をしております。ご興味がある方は是非とも一緒に俳句をしましょう。mixiに登録されていない方は、ご招待させて頂きますので、メールアドレスを教えて下さいませ。

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