三橋鷹女の魔力
9月22日付 毎日新聞「季節のたより」で素敵な句に巡り合いました。
さやうなら霧のかなたも深き霧
誰の句かなぁ・・・と思ったら、三橋鷹女さんの句でした。
彼女の句は、胸の奥まで響いてくるんですよね。しかも余韻が気持ちが良い。
以前、「正木ゆう子」さんのところでも書きましたが、改めて
ひるがほに電流かよひゐはせぬか
夏痩せて嫌ひなものは嫌ひなり
あたたかい雨ですえんま蟋蟀です
くちびるに夜霧を吸へりあまかりき
月見草はらりと宇宙うらがへる
つはぶきはだんまりの花嫌ひな花
この樹登らば鬼女となるべし夕紅葉
みんな夢雪割草が咲いたのね
まだまだ掲載した句がありますけど、割愛
言葉の魔力はすごいですね。
新聞掲載句もそうですけど、同じ言葉を使っていても、違和感を感じない。
同じ言葉を漢字やひらがなに置き換えて使う句を見かけますが、多くは繰言であって、好きではないです。
でも、彼女の同じ言葉であっても、違う意味となっており、絶妙です。
彼女にどっぷり嵌りたい気持ちがある反面、時間がいくらあっても、抜け切ることが出来ないパラレルワールド
ふーむ、考えるだけで、時間だけは過ぎてゆく・・・
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