18文字
6月6日の「俳句王国」の主宰、7日の「NHK俳句」はゲストは金子兜太先生でした。
俳句界の重鎮、テレビを通しても現場のピリピリ感が伝わってきます。
そこで、気になったのがタイトルの「18文字」でした。
兜太先生の提出句
森林浴かすかに光る魚の音も(しんりんよく かすかにひかる うおのおとも)
麦の秋天海駄菓子をふとつまむ(むぎのあき てんかいだがしを ふとつまむ)
1点は19文字、2点目は18文字です。
「麦の秋~」の方はすんなり入りました。
しかし、「森林浴~」は、どうしても下五が気になってしまいます。
どうして、音を『ね』と読まないのか、また『も』をつけたりする必要があるのでしょうか?
意味が分かりますが、理解が出来ません。
兜太先生曰く、「分かる人にはこの句がいいことが分かるんだ」そうです。
これは、(たじまさん曰く)「技術の進歩」は俳句を俳句たらしめていくのだとすれば、やはり、「俳句の限界は、俳句自身だ」ということになのですかね。。。
続けて、NHK俳句の入選句から 「不安定を以つて均衡鳰浮巣(川崎 完治さん)」
兜太先生はこの句を 「不安定を以つて均衡鳰の浮巣」にしました。
18文字になるのですが、俳句には、リズム感が大切だと言われておりました。
確かに『の』を入れることで、この句はしっかりしました。
俳句は、作り手と読み手がいることで成り立つと思います。
読み手のアドバイスで、良句が更に良句になるのは、とても素晴らしいことです。
(詠み手が先生、恩師だったら尚更です。)
でも、怖いことは、作り手が『こうだ!!』と言ってしまうことです。
そうなると、その俳句はそれ以下でも、それ以上でもなくなり、それでその句は終わってしまいます。
僕は、自分から離れてしまった句は、何かすることもなく、読み手に任せるしかないと思っております。
読み手のアドバイスを聞いて、更に自分の俳句を高めるのが、上達の近道だと思います。
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無論、作り手に意見を求め、賛同する方もいます。
それによって、「結社」が成り立ちが、その後、どうなるかは別の記事にて
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俳句王国放映最後の、ゲスト高橋洋子さんと兜太先生のバトルは面白かったです。
高橋さんも作家としてのプライドがありますから、他の人ならへこんでしまうところを返答しておりました。
僕も自分の意見をきちんと持って、俳句に望みたいと思います。
その為には、俳句の技術を高め、理解できない句を少なくしていきたいものです。
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コメント
「も」は要らない派ですう。
投稿: ひつじ | 2009年6月12日 (金) 22時02分
ひつじさま
嬉しいです。
(「も」をつける)理解できない方がいらっしゃって
投稿: 楚良 | 2009年6月13日 (土) 00時38分
俳句は リズム
リズムって
受け取り方次第ですね
その人自身の持っているリズム
音楽にも 合う合わないがあるように
だけど
ここ よいブログですね♪
心地いいリズムを感じます^^*
投稿: 吟遊詩人 | 2009年6月13日 (土) 23時34分
吟遊詩人さま
お褒めの言葉有難う御座います。
17音リズムがあれば、18文字、19文字、逆に16文字でも良いと思います。
それがずれてしまうと、自由律となってしまいます。
五七五が基本であれば、そのリズムに合わせて作りたいですね。
投稿: 楚良 | 2009年6月15日 (月) 09時59分