岸本尚毅(現代俳句の海図より)
波多野爽波(青)一門の一人。
他に田中裕明、辻桃子、岩田由美らがいる。(因みに岩田由美さんは奥さんになります。)
「焼藷や空に大きく大師堂」
この句を読んだ時に、大師堂の上に真っ青な空が広がりました。
独身の時に、西新井に住んでいたことがあるので、西新井大師に行ったことがあります。
十何年前のことなのに、境内や門前のせんべい屋のことを思い出しました。
何という写生句!!
一瞬してこの人の魅力に惹かれてしまいました。
「青大将実梅の分けてゆきにけり」
二つの季語を違和感もなく一つの句に収めてしまう技巧。
それに田中裕明先生と同じ「青」としての俳句人生。また、「ゆう」創設時に一投句者として参加。
写生→花鳥風月→花鳥諷詠への誘い、それは『雅』を伴った俳句である証拠であり、俳句の無限を説いているのと思います。。
一度、この人に俳句のことを直接、学んでみたいです。
<感銘句>
鶏頭の短く切りておかれある
冬空に出てはつきりと蚊のかたち
海上を驟雨きらきら玉椿
蟷螂のひらひら飛べる峠かな
火の中に鈴の見えたるとんどかな
末枯に子供を置けば走りけり
焼藷や空に大きく大師堂
青大将実梅を分けてゆきにけり
盆の波ゆるやかにして響きけり
何もかも見ゆる月夜や桐一葉
歯あらはに菊人形の老女かな
火のかけら皆生きている榾火かな
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