松本つね「天竜川」
俳句歴33年目にして初句集です。
まだまだ力及ばず、没句にされることが多く、少しでも唸らせる句を
作りたいものです。
据膳の真ん中にあり寒卵
帰省子の世辞言ふことも覚えけり
嫁ぐ子と安曇野の秋を歩きをり
花火果て北斗の位置の変りけり
秋深し触れあへば生るる音
火祭りの果てて雪まふ舞楽殿
風花や杉千本の寄進札
胡麻を干す宇宙の話聞きながら
思ひきり石蹴つてみる冬の坂
大丸太小丸太木曾の初しぐれ
心音の数たしかむる寒夜更く
草笛を吹くや時には目を閉じて
真似ながら入つて行きぬ踊りの輪
もう一つ伝へたきこと秋の虹
月の客乗せゴンドラ動き出す
闇に目を凝らす蛍とわかるまで
蠅打ちてまた説明つづけをり
割箸の素直に割るる大厄日
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