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金子敦 「砂糖壺」

マイミクの第二句集です。

初めて、最後まで心地よく詠めれた句集です。

(自分には句集が詠む才能がないのかと思っておりました。)

第三句集「冬夕焼」も楽しみです。

<金色の鳥>
砂糖壺の中に小さき春の山
いつはやく暮るるわが部屋シクラメン
石鹸に残る砂粒海の家
夕焼や蹴るには大き過ぎる石
<夢の番人>
雛の間につながつている糸電話
夕焼の中へボールを取りにゆく
いつぽんの冬木となりて人を待つ
<シャガールの馬>
どどどどと子らの走れる海開き
のど深くまでサイダーの怒濤くる
行く年や先のほつれし栞紐
<小さき風>
贋作のモナリザの笑み冬の雪
薄氷に載るひとひらの羽毛かな
弁当のごはん冷たき花野かな
冬晴の海や少年なら叫ぶ
<空の扉>
紅生姜にじむ焼きそば雲の峰
冬薔薇の散りそびえたる日暮かな
空の奥まで落葉踏む音響く
<月光のかけら>
便箋の端を揃へて春惜しむ
月光のかけらのやうな竹落葉
<夜の新樹>
初蝶を見送つてゐる橋の上
水中花空のあをさを知らず咲く
夕焼のはみ出してゐる水たまり
初雪を今てのひらに載せた筈
ぬくもりの残る手袋借りにけり

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コメント

いつはやく暮るるわが部屋シクラメン

これは「いちはやく」では?

投稿: | 2014年5月15日 (木) 11時30分

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